入塾面談でよくお話すること

教育の受け方に対する感覚は子どもも大人もそれほど変わりません。

「何故これくらいできないのか?」「何度同じことを言わせるの!」「困った奴だ。」「言われた通りにしなさい!」と言われたり、思われたりしながらグングンと学習姿勢や学力が向上するとは思えません。

もともと人間の欲求段階(マズローの欲求段階説)で考えると、学習(勉強)は「自己実現の欲求」。学習しなくてもたちまち困ったことになるといった危険性や緊急性がないため、「生理的欲求」「安全の欲求」「所属と愛の欲求」「承認の欲求」と比べ、かなり高次な欲求なのです。

ですから、それを他者から強制されることはとても難しい。ほとんどが逆効果で終わります。あの闘将と呼ばれた星野監督でさえ、よく見ると強制ではなく常に選手本人が考えるように全身全霊で語っておられたように思います。

学習塾は子への強制(厳しい指導)を保護者から強制(お願い)されることがあります。

そんな時、私は、

「生徒さん自身がここでなら!と納得し、一緒に頑張っていこうと思ってもらえるように寄り添います。お子さんの現状をお子さんの力で劇的に向上させる環境を提供したいのです。厳しさとは自分でやるぞと決めた勉強の中にこそ存在します。

本当の怖さとは怒られる恐さではありません。もっと自発的であるべきです。「恐さ」ではなくて、「怖さ」ですね。もちろん時には自発を促すために愛情を持って叱ることも必要ですが、いつまでもそれが必要な方は他の生徒さんの迷惑になります。

私が思うに、もっとも怖いのは「人の気持ちを裏切る」こと。お家の方の気持ち、周囲の人の気持ち、そして自分自身の本気を裏切ること。例えばお母さんの作ったお弁当をお子さんがお母さんの見ていない時にゴミ箱に平気で捨てるような行為です。

これを怖いと感じないでどうしてしっかり物事に取り組み成長できるでしょう?ほとんどのお子さんはこの話を一瞬で理解できます。お子さんを信じて、一度私どもにお任せ下さい。」

とお話ししています。

入塾の面談でこのお話をしておかないと大変なことになります。結局結果の出ないパワーの浪費を繰り返し、お家の方は同じ要求をされ続けることになるからです。

 

実際、3学期に入塾されて中学の学年末試験では5教科で40から50点上がった人も多かったです。(普段の定期テストですぐに40〜50点上がるのはそれほど難しくないですが、学年末で40〜50点はなかなかよく頑張ってくれたと思います。)小学生はほとんどの生徒さんの通信簿がかなり良かった様で嬉しいご報告を沢山頂戴しました。私どもの塾の力ではなくお子さん自身の力が出ただけだと思っております。感謝しかありません。互敬関係もさらに強くなります。(当塾では禅の「和敬清寂」という言葉を大事にしています。千利休も茶の心と決めた言葉だそうです。人間同士がお互いに尊敬の心で接するところに心の深い落着き、平穏、つまり静寂が訪れるというような意味だと思います。)

 

下の写真はお家の方が塾の先生に見せなさいとお子さんに持たせていただいたものです。

 

 

おわり